Cloudflareでサイトが遅くなる原因と対処まとめ【WordPress高速化ガイド】

Cloudflare は本来、CDN(エッジ配信)とキャッシュによりサイトを高速化します。しかし、WordPress と組み合わせた際に逆に速度が落ちてしまうケースが少なくありません。

この記事では、Cloudflare 導入後にサイトが遅くなる代表的な原因と、確実に高速化へ戻すための対処方法をまとめて解説します。

1 Cloudflareが逆に遅くなる主な原因

1.1 Cloudflare のキャッシュが有効になっていない

Cloudflare は、画像・CSS・JS は標準でキャッシュしますが、HTML はデフォルトではキャッシュしません。

そのため、Cloudflare を入れても WordPress のPHP & MySQL が実行され続け、むしろ遅くなる場合があります。

【対処】HTMLキャッシュを有効化する

  • Cache → Configuration → Cache Level → Standard に変更
  • Page Rules(または Transform Rules)でキャッシュ対象拡大
  • Cloudflare APO を導入(最も効果的)

1.2 日本サーバー × Cloudflare の距離(ルーティング誤差)

Cloudflare は世界的に速いですが、日本国内だけを見ると、以下の現象が起きる場合があります:

  • 国内サーバー(Xserverなど)のほうが速い
  • Cloudflare経由で迂回ルートとなり遅くなる
  • 東京エッジに繋がらず他国 POP に飛ばされる

【対処】Argo Smart Routing(有料)を使用

Argo は最適ルートを選択し、遅延発生を大幅に回避できます。

1.3 Rocket Loader による JS の競合

Cloudflare の Rocket Loader は JS を非同期化する機能ですが、WordPress やテーマ・プラグインの JS と競合して表示が遅くなる・動かなくなることがあります。

【対処】Rocket Loader を無効化

  • Speed → Optimization → Rocket Loader → OFF

WordPress では基本 OFF推奨です。

1.4 画像の圧縮が二重になり逆効果に

Cloudflare の Polish(画像圧縮)+ WordPress側の画像最適化が重複すると、処理が増えたり意図した形式に変換されなかったりします。

【対処】片方に統一する

  • Cloudflare Polish を使う → WordPress側の圧縮OFF
  • WordPress側(EWWW / ShortPixel)を使う → Cloudflare Polish OFF

1.5 サーバーのキャッシュと Cloudflare がぶつかっている

以下のキャッシュプラグインと Cloudflare は衝突することがあります:

  • W3 Total Cache
  • WP Super Cache
  • LiteSpeed Cache(キャッシュを両方で保持するとバグの元)

【対処】キャッシュは1箇所だけに統一

  • Cloudflare APO を使うなら WordPress側キャッシュはOFF
  • LSCacheサーバーの場合:LSCache優先で Cloudflare はCDN専用にする

1.6 Cloudflare のミニファイ(圧縮)が不具合を起こす

CSS / JS ミニファイがテーマ・プラグインと衝突し、
レイアウト崩れや読み込み遅延が発生することがあります。

【対処】Cloudflare の Minify をすべてOFF

Minify は Autoptimize に任せるのが安全です。

1.7 Firewall ルールで一部の通信が遅延

誤った WAF ルールや Bot Fight Mode が有効だと、日本国内ユーザーにもレート制限がかかることがあります。

【対処方法】

  • Security → WAF → ルール見直し
  • Bot Fight Mode は OFF 推奨
  • JS チャレンジは必要最低限に

1.8 キャッシュが HIT していない(MISS連発)

Cloudflare のヘッダを確認すると、

cf-cache-status: MISS

が続く場合、何かがキャッシュを妨害しています。

【対処】キャッシュされない原因を調べる

  • Cookie がついている
  • POST リクエストになっている
  • プラグインが no-cache ヘッダを出している

1.9 .htaccess の設定が Cloudflare と競合

特に rewrite ルールとの衝突で、サイト遅延が発生する場合があります。

【対処】

  • .htaccess のカスタムルールを見直し
  • 不要なセキュリティルールを削除

1.10 DNS が Cloudflare を経由していない

Cloudflare のオレンジクラウドが OFF のままだと、CDN が効かず速度が変わりません。

【対処】DNS → オレンジクラウドを ON

逆に、メール関連レコードは必ずグレークラウド(DNSのみ)にします。

2 Cloudflareを高速化効果が出る「正しい設定」

2.1 最適構成(WordPress向け)

  • APO:ON(最強htmlキャッシュ)
  • Polish:好みでON(画像圧縮)
  • Rocket Loader:OFF
  • Minify:OFF(Autoptimizeで統合)
  • WAF:必要最低限のみON
  • DNS:オレンジクラウドON(メールは除外)

3 まとめ:Cloudflare は設定次第で神にも悪魔にもなる

Cloudflare は、正しく使えば最強の高速化 + セキュリティツールです。
しかし設定を誤ると、逆に遅くなることもあります。

特にポイントは以下の3つ:

  • HTMLキャッシュが効いているか(APO推奨)
  • Rocket Loaderを無効化する
  • キャッシュは1箇所に統一する

これらを適切に管理すると、Cloudflare のポテンシャルを最大限に引き出せます。