CDNを入れても速くならない理由10選【WordPress高速化の落とし穴】
- 1 HTML がキャッシュされていない
- 1.1 【対処法】HTMLキャッシュを有効にする
- 2 CDN のキャッシュ HIT 率が低い(MISS連発)
- 2.1 【よくある原因】
- 2.2 【対処】キャッシュ設定の見直し
- 3 サーバー自体が遅い(CDNではカバーできない領域)
- 3.1 【対処】
- 4 CDN の日本拠点が他のCDNより遅いケース
- 4.1 【対処】
- 5 TTFB(初期応答)がサーバー側で遅い
- 5.1 【対処】
- 6 キャッシュプラグインとCDNが競合している
- 6.1 【対処】
- 7 CDN の設定が「CDN専用」になっていない
- 7.1 【対処】DNSの設定確認
- 8 CSS / JS がミニファイされず重いまま
- 8.1 【対処】
- 9 オリジンサーバーの画像URLがCDN化されていない
- 9.1 【対処】
- 10 ページ自体が重すぎる(CDNで吸収できない)
- 10.1 【対処】
- 11 まとめ:CDNは魔法ではなく「正しく使えば最強」
- 11.1 関連記事
CDN(Content Delivery Network)は、本来サイトの読み込み速度を大幅に改善する仕組みです。
しかし、WordPress に CDN(Cloudflare・AWS CloudFront・Fastly 等)を導入しても、
「全然速くならない…」
というケースは驚くほど多くあります。この記事では、CDN が効果を発揮しない代表的な原因10個と、その対処法を詳しく解説します。
1 HTML がキャッシュされていない
CDNは通常、画像・CSS・JSはキャッシュしますが、HTMLはキャッシュしません。
そのため、WordPress本体が毎回PHP処理を行い、サーバー負荷は軽減されず速くなりにくいのです。
1.1 【対処法】HTMLキャッシュを有効にする
- Cloudflare APO を使う(最も簡単)
- CloudFront → Lambda@Edge でキャッシュ指示
- Fastly → HTML キャッシュ設定
2 CDN のキャッシュ HIT 率が低い(MISS連発)
CDN で最も重要なのは「HIT率」です。
MISSが多いと、CDNを通ってもサーバーへ問い合わせが発生し、遅くなります。
2.1 【よくある原因】
- Cookie が付いていてキャッシュ不可
- URL が毎回違う(クエリパラメータ)
- キャッシュルールが甘い
2.2 【対処】キャッシュ設定の見直し
- Cookie除外設定
- クエリ付きURLの整理
- Page Rules / Edge Rulesでキャッシュ強化
3 サーバー自体が遅い(CDNではカバーできない領域)
CDN は「配信」を高速化しますが、
WordPressの生成自体が遅い場合は改善できません。
3.1 【対処】
- PHPバージョンをあげる
- 不要プラグイン削除
- DB最適化(wp_options肥大化の解消)
- LiteSpeedサーバーに移行
4 CDN の日本拠点が他のCDNより遅いケース
CDNによっては、東京・大阪 POP が弱い場合があります。
また、海外POPを経由するルートが選択され、遅くなることも。
3.1 【対処】
- Cloudflare → Argo Smart Routing
- 高速POPを持つCDNに変更(Fastly・CloudFrontなど)
5 TTFB(初期応答)がサーバー側で遅い
CDN は TTFB の一部しか改善しません。
WordPress本体の応答が遅いと、CDNを通しても高速化されません。
3.1 【対処】
- OPcache ON
- サーバーの混雑を監視
- wp-cron をリアルcron化
6 キャッシュプラグインとCDNが競合している
以下のようなキャッシュプラグインは、CDNと衝突しやすいです。
- W3 Total Cache
- WP Super Cache
- LiteSpeed Cache(両方でHTMLキャッシュはNG)
3.1 【対処】
HTMLキャッシュは1ヶ所だけ。
- CDNに統一(APO推奨)
- サーバー側に統一(LiteSpeed/NGINXキャッシュ)
7 CDN の設定が「CDN専用」になっていない
オレンジクラウドOFF(Cloudflare)
DNSだけ設定している
など、CDNが実際には動いていない場合があります。
7.1 【対処】DNSの設定確認
- プロキシモード(橙クラウド)をONにする
8 CSS / JS がミニファイされず重いまま
CDNのミニファイや圧縮が機能していないと、
大きなCSS/JSがそのまま配信され速度が改善しません。
3.1 【対処】
- CDNのMinifyをON(ただし競合に注意)
- AutoptimizeでJS/CSSを軽量化
9 オリジンサーバーの画像URLがCDN化されていない
CDNが画像を配信していない場合、速度改善は限定的です。
3.1 【対処】
- Image CDNをON(Cloudflare Polish/Cloudinaryなど)
- 画像URL rewriteを設定
10 ページ自体が重すぎる(CDNで吸収できない)
CDNが頑張っても、
サイズ1MB以上のページはどうしても遅くなります。
3.1 【対処】
- 画像圧縮
- WebP化
- 不要スクリプト削除
- 上部の巨大Hero画像の見直し
11 まとめ:CDNは魔法ではなく「正しく使えば最強」
CDNは正しく設定すれば劇的な高速化が可能です。
しかし、設定ミス・キャッシュ競合・HTML非キャッシュ状態では、むしろ遅くなることもあります。
結論:
- HTMLキャッシュを有効化(Cloudflare APO 推奨)
- キャッシュは1ヶ所に統一
- サーバー側の最適化も並行して行う
- CDNとWordPressの相性を理解する
これらを押さえれば、CDNの効果を最大限に発揮できます。


