Cloudflareでサイトが遅くなる原因と対処まとめ【WordPress高速化ガイド】
- 1 Cloudflareが逆に遅くなる主な原因
- 1.1 Cloudflare のキャッシュが有効になっていない
- 1.2 日本サーバー × Cloudflare の距離(ルーティング誤差)
- 1.3 Rocket Loader による JS の競合
- 1.4 画像の圧縮が二重になり逆効果に
- 1.5 サーバーのキャッシュと Cloudflare がぶつかっている
- 1.6 Cloudflare のミニファイ(圧縮)が不具合を起こす
- 1.7 Firewall ルールで一部の通信が遅延
- 1.8 キャッシュが HIT していない(MISS連発)
- 1.9 .htaccess の設定が Cloudflare と競合
- 1.10 DNS が Cloudflare を経由していない
- 2 Cloudflareを高速化効果が出る「正しい設定」
- 2.1 最適構成(WordPress向け)
- 3 まとめ:Cloudflare は設定次第で神にも悪魔にもなる
- 3.1 関連記事
Cloudflare は本来、CDN(エッジ配信)とキャッシュによりサイトを高速化します。しかし、WordPress と組み合わせた際に逆に速度が落ちてしまうケースが少なくありません。
この記事では、Cloudflare 導入後にサイトが遅くなる代表的な原因と、確実に高速化へ戻すための対処方法をまとめて解説します。
1 Cloudflareが逆に遅くなる主な原因
1.1 Cloudflare のキャッシュが有効になっていない
Cloudflare は、画像・CSS・JS は標準でキャッシュしますが、HTML はデフォルトではキャッシュしません。
そのため、Cloudflare を入れても WordPress のPHP & MySQL が実行され続け、むしろ遅くなる場合があります。
【対処】HTMLキャッシュを有効化する
- Cache → Configuration → Cache Level → Standard に変更
- Page Rules(または Transform Rules)でキャッシュ対象拡大
- Cloudflare APO を導入(最も効果的)
1.2 日本サーバー × Cloudflare の距離(ルーティング誤差)
Cloudflare は世界的に速いですが、日本国内だけを見ると、以下の現象が起きる場合があります:
- 国内サーバー(Xserverなど)のほうが速い
- Cloudflare経由で迂回ルートとなり遅くなる
- 東京エッジに繋がらず他国 POP に飛ばされる
【対処】Argo Smart Routing(有料)を使用
Argo は最適ルートを選択し、遅延発生を大幅に回避できます。
1.3 Rocket Loader による JS の競合
Cloudflare の Rocket Loader は JS を非同期化する機能ですが、WordPress やテーマ・プラグインの JS と競合して表示が遅くなる・動かなくなることがあります。
【対処】Rocket Loader を無効化
- Speed → Optimization → Rocket Loader → OFF
WordPress では基本 OFF推奨です。
1.4 画像の圧縮が二重になり逆効果に
Cloudflare の Polish(画像圧縮)+ WordPress側の画像最適化が重複すると、処理が増えたり意図した形式に変換されなかったりします。
【対処】片方に統一する
- Cloudflare Polish を使う → WordPress側の圧縮OFF
- WordPress側(EWWW / ShortPixel)を使う → Cloudflare Polish OFF
1.5 サーバーのキャッシュと Cloudflare がぶつかっている
以下のキャッシュプラグインと Cloudflare は衝突することがあります:
- W3 Total Cache
- WP Super Cache
- LiteSpeed Cache(キャッシュを両方で保持するとバグの元)
【対処】キャッシュは1箇所だけに統一
- Cloudflare APO を使うなら WordPress側キャッシュはOFF
- LSCacheサーバーの場合:LSCache優先で Cloudflare はCDN専用にする
1.6 Cloudflare のミニファイ(圧縮)が不具合を起こす
CSS / JS ミニファイがテーマ・プラグインと衝突し、
レイアウト崩れや読み込み遅延が発生することがあります。
【対処】Cloudflare の Minify をすべてOFF
Minify は Autoptimize に任せるのが安全です。
1.7 Firewall ルールで一部の通信が遅延
誤った WAF ルールや Bot Fight Mode が有効だと、日本国内ユーザーにもレート制限がかかることがあります。
【対処方法】
- Security → WAF → ルール見直し
- Bot Fight Mode は OFF 推奨
- JS チャレンジは必要最低限に
1.8 キャッシュが HIT していない(MISS連発)
Cloudflare のヘッダを確認すると、
cf-cache-status: MISS
が続く場合、何かがキャッシュを妨害しています。
【対処】キャッシュされない原因を調べる
- Cookie がついている
- POST リクエストになっている
- プラグインが no-cache ヘッダを出している
1.9 .htaccess の設定が Cloudflare と競合
特に rewrite ルールとの衝突で、サイト遅延が発生する場合があります。
【対処】
- .htaccess のカスタムルールを見直し
- 不要なセキュリティルールを削除
1.10 DNS が Cloudflare を経由していない
Cloudflare のオレンジクラウドが OFF のままだと、CDN が効かず速度が変わりません。
【対処】DNS → オレンジクラウドを ON
逆に、メール関連レコードは必ずグレークラウド(DNSのみ)にします。
2 Cloudflareを高速化効果が出る「正しい設定」
2.1 最適構成(WordPress向け)
- APO:ON(最強htmlキャッシュ)
- Polish:好みでON(画像圧縮)
- Rocket Loader:OFF
- Minify:OFF(Autoptimizeで統合)
- WAF:必要最低限のみON
- DNS:オレンジクラウドON(メールは除外)
3 まとめ:Cloudflare は設定次第で神にも悪魔にもなる
Cloudflare は、正しく使えば最強の高速化 + セキュリティツールです。
しかし設定を誤ると、逆に遅くなることもあります。
特にポイントは以下の3つ:
- HTMLキャッシュが効いているか(APO推奨)
- Rocket Loaderを無効化する
- キャッシュは1箇所に統一する
これらを適切に管理すると、Cloudflare のポテンシャルを最大限に引き出せます。


